比較するということはどういうことか考えてみましょう。他者と比較して褒めた場合、優越感を持つでしょうし、他者と比較して叱った場合には劣等感を持つでしょう。しかし、比較対象が変わればひょっとすると逆の結果になるかもしれません。他者との比較で一喜一憂はしても、問題解決にはなりません。
本人が能力の差を感じている中、さらに親から比較されたら子どもはどういう気持ちになるでしょうか?親から嫌われたと思うこともあるでしょうし、比較の対象になった兄弟や同級生に対して複雑な感情を抱くことになり得ます。他者と比較するということは「その人と同じようにならなければならず、個性的であってはならない」といことと同じだと思います。他者との比較ではなくて本人個人の成長段階における比較であれば意味も違ったものになります。「どうしてお兄ちゃんみたいにできないの」と言われるのと「前はできなかったのにできるようになったね、よくがんばったね」と言われるのとでは、本人のやる気も違ったものになってくると思います。
まず、親が「人は一人ひとり違っていいんだよ」という個人を尊重する人間観で大きく幅広い枠にとらわれない多様な価値観を持つことが重要です。個人を尊重する親の姿勢を見て、本人も兄弟も人を尊重し合うことが大切であることをきっと身に付けてくれるでしょう。希望を持ってください。